Nectin-4とは、上皮系細胞のごく一部および多くのがん細胞に発現する接着分子(Nectin分子ファミリーメンバー4)です。膀胱がん・乳がん・肺がん・膵がん等、多様ながん種で細胞表面に高発現する一方、正常組織ではほぼ発現しないため、がん治療の標的として有望視されています。
アールバイロジェンが開発する「Panectin®(パネクチン)」は、麻疹ウイルスを遺伝子改変した腫瘍溶解性ウイルスです。Panectin®はNectin-4を受容体として腫瘍細胞に選択的に感染する、腫瘍選択的な感染設計のウイルスです。Nectin-4は多くのがん種で高発現する一方、正常組織ではほぼ発現しないため、正常細胞へ影響しない設計が実現されています。感染後は多核巨細胞(シンシチウム)も形成してがん細胞の殺傷を引き起こすため、それに伴う抗腫瘍免疫活性化による相乗的作用が期待されています。
腫瘍細胞のNectin-4をウイルス侵入の受容体として腫瘍細胞に選択的に感染します。Nectin-4は多くのがん種で高発現する一方、正常組織ではほぼ発現しないため、正常細胞には感染できず、腫瘍細胞への感染が機能的に担保されています。
感染した腫瘍細胞内でウイルスが複製・増殖し、隣接する腫瘍細胞と融合して多核巨細胞(シンシチウム)を形成します。多核巨細胞形成を介したがん細胞の殺傷が起きます。
腫瘍抗原を通じた樹状細胞の活性化と、抗腫瘍T細胞応答の誘導が起きます。
樹状細胞の活性化および腫瘍特異的CD8⁺ T細胞による非投与病巣への効果が実際に前臨床で示されています。
Nectin-4は多くのがん種(膀胱がん・乳がん・肺がん・膵がん等)で高発現する一方、正常組織ではほぼ発現しません。PanectinはNectin-4のみを感染受容体として利用するため、正常細胞へ影響しない設計となっています。
感染後、Panectin®は隣接する腫瘍細胞との細胞融合を引き起こし、多核巨細胞(シンシチウム)を形成します。これにより、単一細胞の散発的な溶解ではなく、隣接腫瘍細胞を連続的に巻き込む面的な組織破壊が生じます。この機序はCG0070(アデノウイルス型OV)にはない特性として前臨床で確認されています。
野生型麻疹ウイルスは免疫細胞表面のSLAMを受容体として感染しますが、Panectin®はこの経路を遺伝子改変により完全に排除しています。免疫細胞への感染を完全になくした設計です。
腫瘍細胞の破壊に伴い、腫瘍抗原やDAMPが放出され、樹状細胞を活性化する免疫原性細胞死(ICD)の可能性が期待されています。実際に、全身の抗腫瘍T細胞応答の活性化が前臨床で示されています。PD-1/PD-L1阻害薬との組み合わせについても解明を進めています(特許出願中)。